診療内容
白内障について
白内障になると、水晶体が加齢とともに白濁し、視力が低下します。水晶体とは、カメラで言えばレンズのような働きをする組織で、外からの光を集めて目の中でピントを合わせる働きをします。通常は透明な組織ですが、白内障では白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなり、視界が全体的にかすむ、視力の低下、光をまぶしく感じる、暗いときと明るいときで見え方が違うなどといった症状が引き起こされます。
白内障は進行しても基本的に痛みがなく、初期の段階ではあまり自覚症状がない場合が多く、気付きにくい病気です。進行すると、視界が暗くなったり、白っぽく霞んで見えたり、眩しく見えることがあります。
緑内障について
緑内障は、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。その進行のスピードは大変ゆっくりであり、両目の症状が同時に進行することは非常に稀なので、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。しかしながら、治療が遅れると失明に至る可能性もある病気です。
緑内障は中高年の方に起こる代表的な病気のひとつです。無症状の場合でも、眼科で定期検診を受けることをおすすめします。
ドライアイについて
ドライアイは涙の病気と言われ、目を守るのに欠かせない涙の量が不足したり、涙の質のバランスが崩れることによって涙が均等に行きわたらなくなる病気です。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズ装用者の増加に伴い、症状に悩まされる患者さんも年々増加しています。
「目が乾く」という症状の他にも「ゴロゴロする」「目が開けにくい」「物がかすんで見える」「目が疲れる」という症状もよく聞かれます。ドライアイは失明に繋がる病気ではありませんが涙不足により目の表面に傷がつくこともありますので、受診されることをおすすめします。
眼精疲労について
眼精疲労には現在のライフスタイルが深く関係しており、仕事だけではなくプライベートでも長時間パソコンやスマホを使用している方も多いと思いますが、パソコンやスマホの使用時間が長ければ長いほど、目の疲れが蓄積されていきます。単なる目の疲れであれば、睡眠をとることで改善が期待できます。しかし、良質かつ十分な睡眠をとっていても目の疲れや痛みの症状が残る場合は眼精疲労が疑われます。眼精疲労の背後には目の他にも体の病気が隠れている可能性も考えられますので、「ただの目の疲れ」などと軽く考えず、早めに診察を受けましょう。
加齢黄斑変性症について
加齢黄斑変性とは、物を見るときに重要な働きをする黄斑という組織が、加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気です。私たちは物を見るときに、目の中に入ってきた光を網膜という組織で刺激として受け取り、その信号を脳に送るために視神経に伝達します。その網膜の中心部分を黄斑と言います。
症状は物がゆがんで見える、視野の中心が暗くなる・欠ける、視力が低下するなどです。加齢黄斑変性は、糖尿病網膜症、緑内障と並んで、失明を引き起こす病気として注意が必要です。最初のうちは程度も軽いので見過ごしてしまいがちですが、徐々に、場合によっては急速に、視力の低下がみられます。